青ざめた気色で水瀬は要塞を後にする よもや自分は霊現象とやらに遭遇したのではないか?とでも言いたげな様子で霊などこの世界に一欠片も存在し得ない棟内にすら廃材が溢れる要塞でも例外はなくそうだ あれはたしかに佐月だが 本当の意味の佐月ではない 動…
正門から入るよりも南門からの方が約六分、時間を短縮して室に着く土だけで充たされ種を植えられずに置かれた鉢植えが周囲を囲むのを横目に第四号棟、誰かが面白半分に「要塞」なぞと揶揄した鉄筋へと足を踏み込む律儀に詰め込まれた機材や紙束の山をすり抜…
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