可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

病室にて

「おおよそ命というものはそれ自体に形を取らないがために、その有無の判別というものは難しい。たとえば死の判断。脳が機能を止めるか、心臓が拍動を止めるか、人が死ぬという定義は幾つかある。そう、失える瞬間がわかりにくければ、生れ落ちる瞬間も同じ…

彼女と彼と暇を潰す

「山手線げーむ」 「急にどうした」 「したい」 「そうか」 「しようよ」 「ルールがわからん」 「おしえる」 「頼む」 「まずはお祈りから」 「お祈り」 「山手線の神様に感謝する」 「タンマ」 「なに」 「これって必要か」 「いるかいらないかでいうとい…

風景描写

「おはよう」 「よーっす」 「寝癖やばいよ」 「まじ?」 「竜巻みたい」 「やばいな」 「あたしの櫛つかう?」 「どうせ戻らないしいいよ」中学の頃から割と上背があったのだが、高校に入ってからまた伸びて、いま現在二年次で179cmになった。横を歩く幼馴…

死と創作について思うこと

死というものについて、僕は尋ねられたこともなければ克明に想像したこともない。だから、いざそれがどんなものかを考えようとしてみたところで、実感の湧かない心許なさはそのまま僕の思考を緩やかに締め上げる。死、そればかりはどうにも体感しようのない…

無題

名作と呼ばれるものは、多くの人がそれを名作だと認めたから名作なのだと思う。当たり前だけど、一般的に普及していないものでも僕の琴線に触れるものは、僕にとって名作になる。 それほど知名度が低いわけではないけど、高いともいえない程度の漫画がひとつ…

いっぱい食べる君がすき

暖簾を手でよけて、重い引き戸をスライドさせる。お世辞にも広いとはいえない店内にはカウンターに男性客が一人いるだけで、運が良い、今日は空いている。いつも座るテーブルに腰掛けて、上着を脱いで脇に置く。調理場の奥からおしぼりを手に、店主が現れた…

初機関紙に喜び浮かれている

明日は我が大学にて機関紙の製本作業を執り行う予定にあります。いやあ自分の書いたものが冊子になるなんて幸せもんです。 ちなみに書いたものは、自身、行ったこともない九州は博多生まれのお姉さんと洒落たお店で喋くるというただそれだけのお話です。 興…

彼女と彼と休日

「ねえ」 「うん」 「ひまだからひまゲームしようよ」 「説明を頼む」 「私のひまをつぶしてあそぶあそび」 「どこまでもお前本意だなあ」「ピザって10回言ってみ」 「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」 「じゃあここは?」 「ピサロ」 「いやそん…

なう(2015/01/20 21:44:52)

これからテスト期間なのでしばらく更新停止しま(ここで途切れることによって更新停止という言葉のリアルタイム性を醸し出す)最近、面白いことはないかと探してはいるんですけど、見つかんないもんですね。村上春樹ばかり読んでます

年最後の挨拶

こんばんは、西院です。 大晦日ですね。これを読んでいるあなたはもしかすると年を越えているのかもしれませんが、その方にはあけましておめでとうと言っておきます。今年は自分にとって躍進の年だったと思います。大学の文芸部の機関誌に寄稿し載ることも叶…

言葉についてのいくつかの考察

「珈琲淹れるよ」 「私の分も頼む」 「わかってる」 「すまない」 「ねえ、淹れるまで暇だからなにか話して」 「つまらないかもしれんぞ」 「君と話してると飽きないから」 「わかった。ならば一つ話をしよう」 「やったっ」「言葉とは、なんなのだろうな」 …

彼女と彼とクリスマス

「ねえ」 「どうした」 「死にたくなってきた」 「いやどうした」 「朝起きたらなかった」 「なにが」 「クリスマスプレゼント」 「なにこの子」「毎年お姉ちゃんがくれるのに」 「あの人のシスコンぶりには目を見張るものがあるな」 「目が覚めたら枕元にお…

宙の中

暗い海のような宇宙空間を一定の速さ(ゆったりとした)で漂い続けている。一直線に向かう先は太陽ではないにしても、どこか、不思議な色味(緑(エメラルド)、ピンク(淡い))を発する恒星で、漂いながら、元来た道を振り返ると、仄暗い輪郭を持つ大きな星があっ…

近況報告

少しの間書くことをお休みしたら、全くかけなくなってしまった。絶賛スランプちう。 ラブライブ!のアプリを始めてから半年が経過した。盛り上がりは落ち着きを見せ始めている。そして、それに呼応するかのように新たなアプリが目の前に現れた。 Tokyo 7th …

心境状況

こうして小咄を書いていると、ブログなんかに載せることなしに書ききってしまえば作品になるのではないかなと、そう思う時がある。ちゃんとした話になれば、そっちの方が価値があるのではないかと考えたりもした。だが、自分という奴は遅筆で、いつ完成する…

そのときは泣いてみせて

僕はピエロだ。誇張ではなく、本物の。 どこのサーカスにだっている陽気な男。奇抜な衣装に見を包み、ジャグリングをしては馬鹿みたいに笑っている。底抜けに明るくて、愚かしいキャラクターだ。 皆は僕を見て笑う。僕がわざと演技に失敗すると、もっと笑う…

お知らせるほどでもないもの

私情につき、しばらく更新は止めます十二月頃に再開します。

最果てで左様なら

もってもあと一年ですねと医者に言われた。医者の言うことなのだから、単なる俺への嫌がらせなのではなく、なにかしらの根拠に基づいているのだろうし、ということは、俺は長めに見積もってもあと一年しか生きることができない。一年と聞くとあまり実感は湧…

休題

することがないと少しだけ心苦しい気分になる。なぜかというと、することがないからだ。 することがありすぎて、忙しすぎるとストレスは当然貯まる。しかしすることがないと、ないならないでストレスは貯まる。 ものを食べたり飲んだり、寝たり歌ったり、恋…

どうせ死ぬのなら

「どうせ死ぬのならさ」 講義の始まる数分前に、彼女が縁起でもないことを言い出す。俺は左隣に座る彼女の方を向き、とりあえず言葉の続きを伺う。彼女はぼんやりと机の上を眺めている。 「思い残すことのないように、好きなことがしたいな」 「それはそうだ…

赤い目の神様

辛いことが起こると、いつも私は神様にお願いをする。 神様どうか。助けてどうか。 心の中で一心に唱えると、いつの間にか私の背後には人影があって、振り向くと神様はいる。怒っているのか笑っているのかよく分からない表情でいて、その大きな背丈は私を見…

これは病だな、と思った。何度拭ってもとどまる様子のない涙をこぼしながら、病院に行くなら内科になるのだろうか、と彼女に言った。それよりも精神科じゃないか、と返される。それもそうだと思った。 いつの間にか俺は心を病んでしまっていたらしい。特段、…

噓吐きは死にました

物心がつくころには、嘘というものを覚えていました。使役する理由も、また使役する内容もはっきりとせず覚束無いものでしたが、嘘というざらついた下地は、ほんとうというすべらかな下地と比べると、その摩擦が身を擦るのがえもいわれぬ快感に思えてなりま…

その言葉が酷く恐ろしくて

私とあなたは、今日の夜を境に袂を分かつつもり。 王子様とお姫様なんて綺麗で絵になるものじゃないけれど、涙はきっとこぼれてしまうだろうから、ハンカチを用意しておかなきゃ。二度とは会えなくなるわけじゃないけれど、といって今までみたいに会えるはず…

何かを書きつけるのは久々のことになる。

いつまで続くのだろうか

まだ生きている。正直な感想を述べればその一言に尽きる。節目となる歳も迎えたし、思い付く限りの願望も叶う形にはなった。これ以上は求められないとは言えないが、しかし必要最低限のことは済んだ。手垢に塗れた表現ではあるが、もう悔いはない。 手垢に塗…

安寧と少しだけの悲哀と

今少しだけの後悔を以て降りしきる雨に隠して流される涙を、人差し指の先でもって掬って、舌先で転がし続けていたい。大層なかなしみはいらなくて、少しだけの。両の手に溢れるほどじゃなくて、雫一つでいい。雨の中にあったって、涙を見失うことはない。 で…

あめふるはこにわ

伸びた芽を撫でながら、少し残酷な気持になる。この芽を毟ってしまうとどうなるのだろうか。少なからず、この命は潰えてしまう。毟った私の命の断片もどこかで潰えてしまう。なにかを殺すということは、自分を殺すということにほかならない。そうして今、手…

生存確認

死んでしまおうか。死んでしまおうか。死んでしまおうか。 頬を撫でる涙を指でなぞる。愛を語る口を別の口で塞ぐ。

いのりいのられ

こんな自分でも愛せる誰かがいるだけですくわれたりするのだろうか。 それともそんな瑣末なことで救われるのは幸福ではないのだろうか。

回数

浅はかという言葉を、自分の中でよくよく理解しきれていない内に使っているような気がする。本当は自分自身にこそ最も適用されるべき言葉ではないのだろうか。理解を進めようとすればするほど、明度や彩度をにじり寄るように上げてゆけば、透かし彫りのよう…

羽虫の怨恨

翅を毟り取られた蜻蛉は蟻に喰われる運命だという。このことに絡めて私が主張したいのは、取るに足らない虫一匹にも、膨れ上がった脳味噌を持つ我々崇高な人間にも、等しく天命が存在するということだ。命を前に価値は同じだとぬかす博愛主義者の文句に近い…

近況

僕はきっと、誰かに殺されるその日その瞬間を、心待ちにしているんだ。彼は思考の中でそう呟き続ける。誰にも明かされることのない思考。彼の自意識の跋扈する世界の中で、甘く未熟なその一文は、何層ものの固定観念に覆われて、粛々と肥大化してゆく。

ゆめゆめ

雨が降っている真夜中というものほど心が波立つものはない。

隠然たる壁掛け時計の文字盤

浴槽の中で孤独に泣いていたら夜が明けたので風呂場からおはようございますと言えば同居人に寝ていたのかと尋ねられ、うんというとうそつけといわんばかりのめせんとともに、気を付けなとのお言葉を賜る。人は関係を円滑に進めたい場合や関係をちっとも進め…

送り火の中から

夜は更けている。あたりが暗くなると自然此方は明るくなる。惰性である。 「何かを始めるのに遅すぎるということはない」という口上は響きこそ美しけれ格言ではない。正しくは「あらゆるものは手遅れになる前になかったことにされる」である。この世に間に合…

妖怪とそれらを狩る側の意見の対立

はっきりとしない寝覚めだった。目が開いているのかも分からない。意識があるのかも分からない。こういう思考をしている以上少なくとも意識はあるだろう。あるのだろう。しかし思い過ごしではなかったかとも思う。そういう性分。 午前中の記憶がない。自分は…

今を生きる若人と、若人以外と、今は生きていないもの

狭くはない部屋の真ん中で、目元には涙をたたえている。ラップトップから声劇を垂れ流させつつ薄ら寒い気温に時折身を震わせては耐え続ける表面張力に抗い重力が孕ませる誘惑に陥落する涙を落とす。落ちる涙は陥落という誘惑を孕み重力だけが抗う。表面張力…

私の視点の及ぶ限りで世界は遠く濁っている。遅々として進まない世界に苛立ちを束の間、覚えつつそこではたと。世界に速さの概念とはこれ如何に。 竜胆の花が嫌いで、見かける度に唾を吐きかけていたらいつに間にかどの花が竜胆だか分からなくなってきている…

第一回

少し前から、日記をつけたいと考えるようになっていた。紙につけるでもネットに載せるでも、とにかく日記を書き込むことができるのであれば、媒体に糸目はつけなかった。そうした、所謂「日記欲」というものが沸沸と己が内で沸き立っているのを客観的に捉え…