可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

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浅はかという言葉を、自分の中でよくよく理解しきれていない内に使っているような気がする。本当は自分自身にこそ最も適用されるべき言葉ではないのだろうか。理解を進めようとすればするほど、明度や彩度をにじり寄るように上げてゆけば、透かし彫りのように浮かび上がるのは、その影は、紛れもない、自身ではないのだろうか。

鉛色の棒の一端を両手で握り、しゅら、と持ち上げる。腕を水平まで上げ、手首の角度を少しだけ傾ける。慣性によって先端がぶれる。上段から振り下ろす。もう一度持ち上げる。あと69894589489769457679673987459857947593479384579458回。鉛色の棒の一端を両手で握り、しゅら、と持ち上げる。腕を水平まで上げ、手首の角度を少しだけ傾ける。慣性によって先端がぶれる。上段から振り下ろす。もう一度持ち上げる。あと69894589489769457679673987459857947593479384579457回。

好きなのか嫌いなのかそうでないのか。問われてそうでないと答えると、そうでないのかと呟いたきり何一つ話さなくなった。

誰でもいいから殺したい、殺されたい。