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可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

彼女と彼と公園

「旅行したい」
「お土産頼むわ」
「二人で行こうよ」
「どこに」
「行ったことないところ」
「例えば」
「天国」
「片道だわそれ」
「天国以外」
「広い」

「君はなんかないの」
「温泉とか行きたいかも」
「温泉の素があるのに?」
「よくそんなこと言えるな」
「私の家のお風呂、登別の湯だよ」
「偽物だろがよ」
「とにかく温泉は却下」
「じゃあ北海道行ってみたい」
「なんで」
「新鮮な魚介を食えるだろ、蟹とか」
「かにかまぼこがあるのに?」
「まじでお前、その筋の人達に怒られるぞ」

「お前はどこか行きたいところとかないの」
「そういえばあそこに行きたい」
「どこ」
デトロイト
「アメリカ」
デトロイトの裏路地」
「絶対治安悪いから」
「行きたい」
「なんで」
「今月の星座占いのラッキースポット」
「どうラッキーになれるんだろう」

「公園行こう」
「今から?」
「お弁当持っていこうよ」
「まあいいけど」
「お弁当食べたら遊ぼうね」
「休日の公園で?」
「そう」
「いい大人が?」
デトロイトの裏路地ごっこ」
「待って」
「なに」
「そのルールを知りたい」
「ロス市警と麻薬密売人に分かれて逮捕劇やるの」
デトロイトどこいった」
「公園を惨劇の裏路地に変えてやろうよ」
「子供達のトラウマになるから」

「あたし卵いっぱいのやつのサンドイッチね」
「わかってるよ」
「ふわっふわの、ふわっふわのやつだからね」
「期待に添えるよう頑張って作るから」
「やったっ」
「なにがそんなに楽しいんだか」
「どゆこと」
「公園に行くだけなのに」
「ちっちっちっ」
「どや顔する意味がわからん」

「きみと行くから楽しいんだよ」
「そうかよ」

「てれてる」
「照れてないって」
「そんなんじゃ務まんないよ」
「なにが」
「ロス市警」
「事件は既に始まっていた」