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可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

第一回 どんと来い肝臓疾患

ふと、自分はお酒が好きだと思う。誰かと飲むというのも好きだが、取り分け、一人で飲むのが。
最初はチューハイだった。それから苦いと感じながらもビールに手を出し、慣れた頃にウイスキーにも手を出した。そして日本酒にも手が伸び始めている。
アルバイトの給料日が月の真ん中あたりにあって、それの使い道の一つに、家の近所にある小さな酒屋で酒類を買うというのがある。今月も例に漏れずそこで気を惹かれたものを買い、そこから帰る道すがら、お酒のことを文章にしてみたくなった。自分なりに、文章にすることでその対象と向き合える気がするからだ。向き合えるかどうかはさておいて、そういうわけで今回はお酒について、少しだけ書かせてもらうとする。
とはいえ、自分もそこまで種類多く飲んだりはしないし、舌だって肥えてはいない。一般家庭で生まれ育った男の、実に凡庸な中身になってしまうこと請け合いではあるが、それでも構わないと朗らかに笑ってくれる読者を想像しながら書く。

好きなお酒はビールである。
ビールにも色々ある。基本的にどんなものでも飲めるが、特にどれがと尋ねられると、サッポロ黒ラベルだと答えざるを得ない。確実にうまい。きんきんに冷えたそれを舌に一滴垂らすだけでもうまいとわかる。うまいビールのうまさの ゆえん はそりゃビールによって様々だが、共通しているのは一口目の風味である。煽ったときの喉越しと、同時に鼻に抜ける風味。ビールに求められる条件はおおよそこの二つではないかと思う。
一番を褒めちぎる前に、二番目に好きなビールを挙げる。プレミアムモルツである。一番に僅差で敗れた。だがこいつもうまい。
値段が高いだけあって、さすがの完成度である。プレモルの何が一番すごいって、過剰なまでに整えられたその味である。芳醇というか、飲んだ後もしばらく口の中から風味が離れない。味の濃さも塩梅がよく(これがまた気色悪いほど丁度良い)、この味になれてしまうと発泡酒なんて飲めないと思うほど。
そいつを抑えて黒ラベルは王座を勝ち取ったのだが、敢えてその勝因を述べるなら、もう好みだからとしか言いようがない。自分が一番美味しいと思える味だから、うまい。苦味がもうたまらなくて、喉を越して胃に落ちるまで、すべてがうまい。身体の内側から吸収する感覚が、縮み上がりそうなほど冷えきったそれがゆるゆると体内温度で温くなっていくさまが、摂取とはこういうものだと言わんばかりに生の喜びを告げる。

余談だが、生ビールの缶商品は、缶自体がまず他の発泡酒なりと違う。持ったときの重厚感というか、持つだけでその厚みがわかるところあるし、何より温くなりにくい。たまに買うとそんなところまで違うんだと思って驚く。

他にも好きなビールはある。ヱビススーパードライや、本当にたくさん。だが今回は初回なので(おやおや、連載する気かね)ここまでにしよう。

皆さん。飲める人も飲めない人も、よい夜を。