可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

彼女と彼と占い

「占ってあげよっか」
「急にどうしたの」
「なに占いがいい?」
「無視かな?」
「星座占いにするね」
「なんでもいいけど」
「それじゃあね……射手座生まれのきみは今日一日幸せに過ごせます」
「そりゃ良かった。射手座生まれの誰かに言ってやってくれ」

「手相みてあげる」
「男の場合は左手を見るんだっけ」
「たしかそうだった気がする」
「よーし、あたしに任せて」
「手相なんか見てなにがわかるんだよ」
「むむ……この手はきみの左手ですね」
「占ってくれよ」

「血液型占い」
「また古典的な」
「きみは何型?」
「O型だけど」
「えっあたしも一緒だよ」
「へえ、そうなのか」
「うっそぴょん」
「せめて占いという体は保ってくれ」

「タロット占い」
「これならまともそうだな」
「一枚選んで」
「じゃあ、これ」
「ぷぷぷ、はずれです」
「外れたらどうなるんだよ」
「一回休み」
「ついていけねえ」

「昨日どんな夢みた?」
「特になにも」
「ははあ、なるほど」
「それって夢占いだろ?」
「そうだけど?」
「俺が夢見てなかったらできなくね?」
「ところがどっこい」
「夢占いの根底を覆すのやめろよ」
「今日のきみの運勢はちょべりばです」
「時代設定がずれてる」
「ラッキーアイテムはあたし」
「安いドラマみたいなネタやめろ」
「あたしにクレープを奢ってくれたらちょべりぐ」
「その表現好きなの?」
「あたしデラックスチョコバナナミックス」
「早速クレープの予約入れるのやめろ」
「きみってO型なのに細かいこと気にするよね」
「血液型関係ねえだろ」