可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

関東旅行記1

二月末から三泊四日で関東へ旅行した。
その際に起こったことや、それに起因して発生した感情などを、一文字でも多く形として残しておこうと思い立ち、にわかに書き始める。
乱文や乱調となること請け合いではあるだろうが、これは備忘録であり、フィクションではなく、それでいて自分の頭の中にしか存在しえない物語の写しなのだ。

ことの始まりは、一月の終わりごろだった。
高校時代の友人とLINEでやり取りをしていると、彼が三月あたりに旅行に行くつもりだが、一緒にどうだろうかと声をかけてくれたのだ。

この彼と、実は一年前にも旅行をしたことがある。そのときの行き先は九州だった。
その彼が、有難いことに今年も誘ってくれたのだ。
元来集団行動は面倒だと感じ、一人、乃至、気の合うひとと二人ぐらいで酒を飲んだりするのが好きだった自分にとって、この誘いはなんとも魅力的だった。

自分は二つ返事で了承する旨を返答し、話はとんとんと進み、行き先は関東、それも茨城、栃木、群馬の三県に決まった。三泊四日で三県を回るのは些か無謀ともいえるかもしれないが、そのときの我々は浮かれていてそんなことを懸念することもなかった。


まず高速バスを抑えた。旅行初日の前夜出発の便を。近所のコンビニでチケットを発券して。
大体それは旅行の二週間ほど前だっただろうか。

このあたりから、旅行に行くのが面倒になっていた。
というのも、自分は極度の出不精なのである。

多額の金を払って疲れに行くよりは、家でじっと寝ていた方が燃費も良いし、なにより楽だと、そう考えてしまう。
しかし旅行の件を友人に快諾したことや、チケットを発券してしまったという事実が、有耶無耶にしてしまいたいという気持ちに歯止めをかける。


結果として、旅行に行ったあとの感想を述べるならば、今回の旅行は素晴らしかった。楽しかったし、行ってよかったと心から思う。
だけどその一方で、旅行に出る前は、面倒臭さに押しつぶされそうになっていたことを、ここに示しておかねばならないと思った。

同行した友人は、料理や酒や旅行や漫画が好きで、その多趣味さには尊敬の念すら覚える。
没頭できるものが多いということは、自分の中では、安易に幸福と結びつく。
彼は、こんな性根の捻くれた俺に旅行のプランを持ちかけてくれたり、旅行の計画を主体的に練ってくれたりと、感謝してもしきれない。
それ故か、自分の、旅に対するモティベーションの低さを鑑みて、しばしば恥ずかしい気持ちにもなった。申し訳ないとも思った。

彼と話す度、もう少し自分という奴が社会的にまともであればと、そう願ってしまう。
次に彼と旅行する機会が、もしもあったならば、そのときは、前回よりも今回よりも、旅の楽しさを彼と分かち合える人間になりたいと思う。


話は完全に逸れてしまったが、かくして夜行バスの予約をも取り付けた。そして、取り留めもないことをしている内に、その日程は訪れることとなる。