可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

送り火の中から

夜は更けている。あたりが暗くなると自然此方は明るくなる。惰性である。 「何かを始めるのに遅すぎるということはない」という口上は響きこそ美しけれ格言ではない。正しくは「あらゆるものは手遅れになる前になかったことにされる」である。この世に間に合…

妖怪とそれらを狩る側の意見の対立

はっきりとしない寝覚めだった。目が開いているのかも分からない。意識があるのかも分からない。こういう思考をしている以上少なくとも意識はあるだろう。あるのだろう。しかし思い過ごしではなかったかとも思う。そういう性分。 午前中の記憶がない。自分は…

今を生きる若人と、若人以外と、今は生きていないもの

狭くはない部屋の真ん中で、目元には涙をたたえている。ラップトップから声劇を垂れ流させつつ薄ら寒い気温に時折身を震わせては耐え続ける表面張力に抗い重力が孕ませる誘惑に陥落する涙を落とす。落ちる涙は陥落という誘惑を孕み重力だけが抗う。表面張力…