可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

お知らせるほどでもないもの

私情につき、しばらく更新は止めます十二月頃に再開します。

最果てで左様なら

もってもあと一年ですねと医者に言われた。医者の言うことなのだから、単なる俺への嫌がらせなのではなく、なにかしらの根拠に基づいているのだろうし、ということは、俺は長めに見積もってもあと一年しか生きることができない。一年と聞くとあまり実感は湧…

休題

することがないと少しだけ心苦しい気分になる。なぜかというと、することがないからだ。 することがありすぎて、忙しすぎるとストレスは当然貯まる。しかしすることがないと、ないならないでストレスは貯まる。 ものを食べたり飲んだり、寝たり歌ったり、恋…

どうせ死ぬのなら

「どうせ死ぬのならさ」 講義の始まる数分前に、彼女が縁起でもないことを言い出す。俺は左隣に座る彼女の方を向き、とりあえず言葉の続きを伺う。彼女はぼんやりと机の上を眺めている。 「思い残すことのないように、好きなことがしたいな」 「それはそうだ…

赤い目の神様

辛いことが起こると、いつも私は神様にお願いをする。 神様どうか。助けてどうか。 心の中で一心に唱えると、いつの間にか私の背後には人影があって、振り向くと神様はいる。怒っているのか笑っているのかよく分からない表情でいて、その大きな背丈は私を見…

これは病だな、と思った。何度拭ってもとどまる様子のない涙をこぼしながら、病院に行くなら内科になるのだろうか、と彼女に言った。それよりも精神科じゃないか、と返される。それもそうだと思った。 いつの間にか俺は心を病んでしまっていたらしい。特段、…

噓吐きは死にました

物心がつくころには、嘘というものを覚えていました。使役する理由も、また使役する内容もはっきりとせず覚束無いものでしたが、嘘というざらついた下地は、ほんとうというすべらかな下地と比べると、その摩擦が身を擦るのがえもいわれぬ快感に思えてなりま…

その言葉が酷く恐ろしくて

私とあなたは、今日の夜を境に袂を分かつつもり。 王子様とお姫様なんて綺麗で絵になるものじゃないけれど、涙はきっとこぼれてしまうだろうから、ハンカチを用意しておかなきゃ。二度とは会えなくなるわけじゃないけれど、といって今までみたいに会えるはず…

何かを書きつけるのは久々のことになる。