可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

2015/03/20 21:18:08

創作することが救いだと思って書き続けていたのに、度々起こる現象というか病症というか、創作それそのものが精神を追いやっている様に思えてならないときがあって、今がまさにそのときである。何かを削るような、そんな気概で書いている。だけどそれはきっ…

或る月の光のよく届く場所

見上げた空から、月が見下ろしてくる。 夜は色濃く更け、外気が肌に絡みついてきて生温い。夕方に降った雨が湿らせた裏通りを歩く先輩は、ついさっきまで居酒屋でしこたま飲んでいたにも関わらず酔った気配を微塵も見せていなかった。 「わぐ君」 俺から見て…

今なお暮れつつある

僕が子供の頃から飼っていた猫が死んだ日の晩に、夢をみた。 内容は、一両しかない電車に揺られてどこかへ向かうというだけのもので、僕は同じ夢を以前に二回ほどみたことがある。一度目は僕がまだ小学生だった頃、大好きだったキャラクタのプリントが施され…

清い流れの中で

陽光を反射してきらきらと輝く水に浮かぶ肢体を見た途端、僕の心は、雲散霧消してその内の何割かは水に溶け込み、彼女の身体を纏うように。彼女は最期まで水の傍にいたがった。病的といっても良かった。どこかに遊びに行っても、清い水の流れや溜まり場を見…