掬いあげた水が、器をかたどった手のひらから零れるようにして、目が覚めた。 夏の終わりにしては、空気はひんやりとしていた。隣を見遣ると、安らかな寝息を立てている恋人がいる。顔を寄せて、まじまじと見つめる。少しだけ間の抜けた寝顔にキスしてやりた…
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