可逆的選択

趣味で書いています @yadokarikalikar

無題

名作と呼ばれるものは、多くの人がそれを名作だと認めたから名作なのだと思う。当たり前だけど、一般的に普及していないものでも僕の琴線に触れるものは、僕にとって名作になる。
それほど知名度が低いわけではないけど、高いともいえない程度の漫画がひとつあって、なんの因果か偶然手に取った僕の心を完膚無きまでに叩きのめした。読みながら、読み終えてからも、ぷつぷつと二の腕が粟立つ感覚を断続的に感じていて、きっと僕はこの作品に人生を変えられたのかもしれない。
僕は漫画に対して素人だし、それほど量を読んできているわけでもない。だけど心を縛り付けて離さないその漫画に、囚われてしまった。僕はそれを何度も読みなおした。薄く諳んじられるようにまでなった。 肌身離さず持つほどではなかったが、なにか思うことがある度に引っ張り出しては読んだ。

感情は一過性である。一度覚えた感動は二度と僕の前には現れない。そのことに気付くのに時間はかからなかった。